科学のオモテ/ウラ~用語による理解と限界、そして誤解~

今回は「科学」の話です。科学に対するイメージは、「なんかしっかりとした定義とか公式があって、矛盾とかないもの」という感じがありませんか…?でも実際どうなのでしょうか。浮力に関する実験を扱いつつ、「科学のあいまいさ」について議論します。

以下、発表者の紹介文です。
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何かを新しく理解する場合は、それなりの専門用語を知ることになります。しかし、用語には限界があって、定義した瞬間に当てはまらない部分が生まれたりして誤解が始まります。

「力」という用語は「力学」という言葉もあって、きちんと定義されていて誤解されることのないもののような印象を与えますが、本当にそうでしょうか?

例えば、「浮力」という用語に関しても次の実験でわかるように、実にあいまいなものです。今回はこの「あいまいさ」についてご紹介し、皆さんと議論したいと思います。

まず、「浮力」の発生と思われるおもしろい実験をお見せしましょう。図を見て下さい。

水の中に水より軽い(密度の小さい)ものを入れると浮かび上がってしいます。容器の底に押し付けても浮かんでしまいます。ところが、最近市販された超はっ水テープを使うと面白いことが起こります。軽いプラスチック片の直方体の底にこのテープを貼ります。水槽容器の底にもテープを貼ります。このテープには接着性はありません。そこで、まず直方体を容器にしっかり押し付けます。そのまま、水を注いでも直方体は浮かんできません。接着性が無いのになぜでしょう? それは、底の部分のテープ間に空気層が出来るからです。強いはっ水性のため、その空気層に水が入り込めないのです。

直方体の底の部分で、水が連結性を持てない。液体中では圧力が伝わっていくという「パスカルの原理」が成り立たたず、浮力は生まれないという原理です。でも、数十秒すると、この状態は維持できなくなってしまい、突然、直方体は浮かび上がってしまいます。私達が「浮力」が働いたと思う瞬間です。では、この時はじめて「浮力」は発生したのでしょうか?

「浮力」ってそんなに簡単に発生するものなのでしょうか? 小学校で習う「アルキメデスの原理」だって、水のなかに(フロのなかに)沈められているものは、沈められた際に「浮力」を持つのではなかったでしょうか? ここで、私達は「浮力」という用語が実にあいまいであることに気がつきます。そのあいまいさが、誤解をどんどん作っていきます。—–アルキメデスがフロに入っている形を鋳型にして作った銅のウツワに水を注ぐとしたら、どの部分にどう「浮力」は働くのでしょう?

【1分間スピーチのテーマ】

文系科目の好きな方へ;理系科目(例えば物理)の時間で「嫌だなあ!」と思ったこと。理系科目の好きな方へ;文系科目(例えば社会、文学)の時間で「嫌だなあ!」と思ったこと。

【発表者】なつめゆうへい、千葉大学名誉教授、著作は総計30刷を越える(理系では)ベストセラー作家—–実にあいまいな表現!

【時間】8:00〜9:30AM(終了時間は前後します)

10:00頃から2次会(ファミレスでの食事)を行う場合がございます。任意でそちらもご参加いただけると他の参加者との交流がより楽しめます。

【参加費】学生300円、社会人1,000円(朝食提供はありません)
【開催場所】Lab-Cafe(ラボカフェ)
〒113-0033 文京区本郷4-1-3明和本郷ビル7階 (http://lab-cafe.net/site/access.html)

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