12/14【聖なる「血の奇跡」とソフトマター科学超入門】(夏目先生)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
先日人気を博した、千葉大学名誉教授の夏目先生による物理の発表第2弾です!
不思議な物理実験を、目の前で実践。物理の知識が特にない方も是非ご参加ください!
以下、発表者の方からの紹介文です。
—————–

■キリスト教カトリックの世界では「聖人の血液の奇跡」という宗教行事が行われています。血のような赤茶色の物体の入っている容器を十字架にくくり付け、神父さんが振り続けると、血のような液体が流れ出すというものです。例えば、イタリアのナポリ大聖堂では毎年行われていますが、液化は成功したり失敗したりします。そのためその年の世界情勢(戦争が起こるかどうかなど)を予測すると言われています。宗教に関するイベントとしてのパフォーマンスを取り立てて議論することは本質をはずれるかもしれません。しかし、神父さんは、その豊かな知識によってカラクリを知っているはずですから、内心では苦しい思いをしているのではないかいう印象を持ちます。それらを踏まえて、本会では台所にある材料を使って、このような性質を持つものを作ってみましょう。
★使うものは容器と以下の食材です;
①トマトケチャップ(出来れば数種類) ②生クリーム ③ココアパウダー
円筒型容器に①を20g、②を7g入れて混ぜます。ここへ、ココアパウダーを1g単位で加えながらさらにかき混ぜます。図のようにゲルが出来ます。色々なココアの量のものを作っておきます。これらは、作って1時間後に、揺り動かすと、数十秒から数分で液状化が見られます。さらに時間が経つと、液状化に要する揺り動かしの時間が長くなります。周囲の湿度にも影響されます。

【1分間スピーチ】

好きな料理は何ですか?作る時、固体状で弾性を持つものが溶けて液状になる面白さが見られるものはありませんか? あるは口の中で弾性を失って広がっていく際に「旨さ」を感じるものはありませんか? 例;ホイップクリーム、マスカルポーネなどチーズ類、手作りマヨネーズ、お餅。

【発表者紹介】

夏目雄平(なつめ・ゆうへい)
1946年長野県生まれ。東京大学理学部物理学科卒、同理学系大学院で理学博士の学位を得る。専攻は物性物理学。イギリスで研究活動の後、千葉大学へ就職し1990年教授。2012年停年退職。その後は、科学を一般に広める活動、科学の本の執筆に従事。理科の雑誌「理科の探検」(SAMA企画)編集委員。専門書/一般科学書の他、文系本として(鉄道、徒歩の)旅の本も出版している。ふるさとNAGANO応援団メンバー。活動として「夏季は男子もスカートをはこう」運動。

【文献】

夏目雄平『やさしい化学物理~化学と物理の境界をめぐる』(朝倉書店)。
夏目雄平「聖なる血の奇跡を化粧品で再現する」『理科の探検』(SAMA企画)2017年10月号。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す