3/3 バス・バス・バス

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今回は、バス・バス・バスというタイトルで、来春からバス会社勤務予定の佐合さんが路線バスおよび関連事項について、発表資料などを必要としない乗り物全般に対する圧倒的な知識とその強烈なキャラクターを存分に発揮して、熱く語ってくれました。バスがたどってきた歴史から現在の苦境、そしてそこに関連するいくつかのトピックについてと、脱線しつつも終始楽しく話してくれ、笑いの絶えない発表となりました。

まず、1分間スピーチでは「自分たちが死ぬ頃、路線バスはまだ残っているのか?」という何とも難しいお題が振られましたが、「公共交通機関は残るがバスか、地上をはしるかは分からない」「石油系燃料はなくなる」「路線バスはなくなり、オンデマンドへ」「京都では観光手段として残るが名古屋ではなくなる」「コンテンツがあれば残る」「東京では冷遇されているが地方では残る」「ダウンサイジングして良い」「なくなる、嫌いだから(笑)」「どこでもドアができればなくなる」など、みな思い思いに意見を述べていました。

そこで、100年後を考えるにあたってまずは100年前を振り返りましょうということで発表開始。100年前は、井上靖「白ばんば」によるとちょうど伊豆にバスが来たという時代。当時はちょうどボンネットバスが出てきた頃で、多くの人は乗合馬車で競合するなどの問題もあったそうです。その後、路線バスは地方の有力者が立ち上げていきました。その後、戦時中から戦後にかけては路線バス事業を鉄道会社が買収していった時期で、当時はドル箱事業だったとのこと。昭和30年代くらいまでは車掌が必要とされ、まだまだバスは儲かるビジネスだったそうです。
しかし、昭和40年代、自家用自動車が普及し始めてからマイカーに押され始めます。その後、ワンマン運行の許可などの規制緩和が行われたものの乗客減は止められず、現在の惨憺たる状況へと堕ちていきました。今では全国のほとんどのバス会社が経営崩壊している・・・。
いったいなぜ崩壊してしまったのか。
バス会社の使命とは、「地域の人の足を確保する」こと。これは国土交通省から免許をもらってやっている以上の使命であり、そのために不採算でも継続してきた慈善事業であるという面があった。今では高速バスなどの収益によって地方路線を維持しているのが実状のようです。各道県に4-5事業者があり、ほとんどが赤字。不足分は自治体が補填しています。JRバスは、国鉄民営化の際に廃止した路線の代替手段として路線バスを運行しているのが実際。松本市を例にとれば、採算がとれているのは20系統に対して、1つくらいしかないそうです。
・・・ここで、脱線。発表者が窓の向こうで鳴り響くパトカーの音に反応。その様子にざわめく会場。パトカーはアクセルを踏んでいる間だけ音がなるとのこと。そのためトーンが上がっているか下がっているかで加速しているか減速しているかが・・・。

話を戻します。

採算性の話の続きですが、私鉄バスが私鉄の子会社になっているのは、人件費カットのため、別会社、別賃金体系にしているということ。そして名古屋バスの運転手が実は三重交通の運転手であったり、と業務委託なども進んでいるようです。数少ない儲かる路線としては、やはりほぼピストン輸送に限られるとのこと。そこでバスの利用者を2種類に分けると所要で使う人(通勤・通学)、病院・役場などに時間がかかっても行く人(お年寄りなど)に分けられ、時間帯によって、住み分けをするともっと元気になる、例えば通勤時間帯は、快速運行でそれ以外は、より細かく回っていくといった意見、パークアンドライドを進めるといった意見が出ました。
次に、バスメーカーの話。今でも残っているバスメーカーは日野、三菱ふそう、富士重工業、いすゞの4社でパイは限られ、シャーシメーカー、コーチビルダーとの関係は強化されているのが現状。日野といすゞは合弁でJバスに、旧日野車体は、観光バスに特化するなど、業界は厳しい状況にあります。さらに、98年の規制緩和で貸切観光バスにガイドが乗る必要がなくなると同時に参入自由化が認められ、群雄割拠、過当競争の時代に入りました。

そこで話は近年利用者の多い夜行バスへ。まず、夜行バスには2種類あり、「ドリーム号」などのJRバスに代表される高速路線バスと、楽天トラベルで扱っているものに分類されます。後者は正確には貸し切り観光バスを使う旅行ツアーという扱いだそうです。前者が、高速のバス停を維持し、仮眠所なども用意しているのに対し、後者では運転手は過酷な労働環境にさらされ、繁忙期は用車(借りている車)が多く、実際に運転している人に渡るお金は少ないといった事情があります。ここで重要なお話。後者の安い夜行バスを使うことは自らの首をしめることになります。理由は、前述の通りバス会社は高速バスの収益でもっているから。安いツアーバスをみんなが使って収益が減れば、バス会社が倒産し、将来自分たちの足腰が悪くなったころに不便になる可能性があります。というわけでみなさん、今日からJRのバスを使いましょう。

最後にまた脱線。発表者が先日乗ったバスについて熱く語ってくれました。2005年排ガス適合車、直列6気筒ターボ、むかきゅう?、排ガスの匂いがいい・・・?。もはやついていけません・・・。この他、ごみ収集車から高速道路までぶっとんだ説明をしてくれ、とにかくヲタクの強さを思い知った笑いの絶えない発表でした。みなさん、これからは気をつけてバスを見ましょう。
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